「文系SEで検索すると『やめとけ』って出てくる……。でも、『楽しい』とも書いてある!本当はどっち?」
「文系だけど、SEになりたい!けど、周りからやめとけって言われて不安!」
文系SEについてこのようなことを考えている方もいるのではないでしょうか。
SEといえば、ものづくりの楽しさがある・就職先に困らない・安定した収入、という魅力がある仕事。
とはいえ、離職率が高かったり、鬱になってしまったりするSEもいる様子……。
とりわけ学生時代にプログラミングを専門的に学んでこなかった文系SEには苦労がつきもの。しかし、大変な新人時代の壁を乗り越えると楽しさを感じることも!
この記事では、地方公立大学の文系学部卒でSEになった経験のある私が、文系SEのリアルな現実をお伝えできればと思います。
文系SEやめとけ?現実とは
まず、ネットでもよく見られる「文系SEやめとけ」の真相を探ってみましょう。
私自身が文系SEでもありますし、同期でも8名ほど文系からSEになった人がいたので、それらの現実もお話できればと思います。
鬱になった
いきなり暗い話になってしまいますが、仕事がハードすぎて鬱になってしまった人もいます。入社して約1年〜1年半経った頃、同期の女子が2人辞めてしまいました。
2人の様子を見る限り、少し鬱っぽかったのを覚えています。実際に、何かの病気と診断されていたかどうかまだは知りませんが、退職後に連絡をとると「地獄にいた感じだった……笑」と言っていたので、とてもつらい日々だったのでしょう。
かくいう私も相当しんどい毎日で、適応障害・鬱病と診断され、3ヶ月ほど休職していた経験があります。
約9年ほど経った今では、双極性障害と病名が変わりましたが、体調に配慮しながら生活を送らなくてはいけないことには変わりありません。
やはり一度病気を患ってしまうと、その後の人生を大きく左右してしまうことは痛感しています。
とはいえ、私の会社には若い頃から頭角を現し、おそらく働き盛りの40代のときにメンタル不調で休職したのち、さらに出世した方もいました。
病気は大変しんどいものですので「鬱になってよかった」なんて思えませんが、鬱になっても人生は終わりません。とはいえ、SEの現実はそう易しいものではありませんね。
ついていけない
文系SEは、新人の頃は仕事についていけない、という壁があることも知っていてほしいです。
ただし、これには個人差があって理系の中にもついていけない人はよくいます。理系とひとくくりにいっても情報系学部でない限りはさほど文系と変わりないことも。
また、情報系学部を卒業していても大学や専門学校で学んでいたことと、仕事で求められるスキルや知識は違ってくることもしばしばあります。
実際に、情報系の大学院を卒業した同期でもプログラミングに苦戦しているところを見かけました。
「最初はついていけないかもしれないけど、すぐに乗り越えてみせる!」という強い気持ちは必要かもしれませんね。
入社してから適性がないことに気付く
文系SEの一番のデメリットは、入社してから適性がないことに気付くケースもあるというところです。
私がまさにその例でした。チームでの無形のものづくりに大変興味があり、可能性も強く感じていてSEになったのですが、プログラミングの適性がまったくありませんでした。
「プログラミングはおもしろくない……」とずっと思っていたのです。プログラマーではなく、システムエンジニアとしての就職でしたので、いずれはプログラミングと離れるとは思っていました。
しかし、会社や上司の方針で「プログラミングが分かっていないといいシステムを提案できない」というものがあったので、ここまでプログラミングに抵抗感がある私はSEとして適性がないとも感じるようになっていってしまいました。
もし、学生時代に情報系の学習をしていたら、また就職の選択が変わっていたと思います。
文系SEの離職率
文系SEの離職率はけっこう高いという印象をお持ちの方もいるのではないでしょうか。
ただし、理系SEの中には「俺はコミュニケーション能力がないし、他にやりたいことがないからSEを続けている」ということを言っている方もいて、文系SEのほうが「他に適職があるはずだ!」と希望を持って転職している様子がうかがえることも。
ここで、他業界と比較した離職率を見てみましょう。厚生労働省調べ『令和3年上半期雇用動向調査結果の概況』によると、情報通信業は入職率8.5%に対し、離職率は5.0%となっています。
引用:厚生労働省調べ『令和3年上半期雇用動向調査結果の概況』13ページ
グラフを見ると、他の業界と比べて突出して高いわけではないことが分かります。
「IT業界ってブラックだよね」「SEって離職率高そう!」というイメージは現実とは少し違うのかもしれません。
転職が当たり前になった現在では、情報通信業以外も離職率は高いようです。
文系SEやめとけは嘘?楽しいと働いている人の声
続いて、文系SEとして楽しく働いている人の声を紹介していきましょう。私自身も楽しさを感じていたこともあります。
上流工程に携われると楽しい
私は上流工程に携われると楽しいと実感していました。プログラミングは大の苦手でしたが、システムの設計書づくりは楽しかったのです。
私は、SEを2年半ほどで辞めてしまったので、それほど携わることができませんでしたが、顧客との要件定義やシステムの改修などは楽しそうだな、と感じていました。
会社によっては「テストやプログラミング」から「設計書づくり」「プロジェクトリーダー」「プロジェクトマネージャー」などへとスキルアップすることになるので、文系の強みをどんどん活かしていけるのではないでしょうか。
文系の強みを褒められた
能力は個人差があり、文系だから理系だから、と簡単に区別できるものではありません。とはいえ、先輩からは文系と理系の特性はあるように感じると言われることが多くありました。
文系は、以下のような強みがあることが多いようです。
- コミュニケーション能力が高い
- 明るい性格
- チームメンバーに働きかける力が強い
- 文章力がある
とくに、新人のころはIT技術力で同期より劣っている時に他のことで褒められると「嬉しいな」「楽しいな」と思えるのでは?
未経験から文系SEになるためにやるべきこと
続いて、未経験から文系SEになるためにやるべきことを解説します。新人には社会人の壁が立ちはだかることが多いですが、その問題を緩和させることはできます。
プログラミングに触れてSEとして働くイメージを持つ
昨今は「progate」や「ドットインストール」などの無料プログラミング学習サイトが充実しています。さらに発展して学びたいなら、プログラミングスクールもよいでしょう。
プログラミングに触れると、システムという無形のものづくりに興味があるかどうか判断できるのでは?
どの仕事も楽ではありませんが、そんな中でも楽しさを見出せないとかなりつらくなってしまいます。
SEとして働くイメージを具体的に持ちたい学生は長期インターンを受けてみてもよいでしょう。IT業界の雰囲気をうかがい知れます。
ITに強い就業サポートサービスを使う
SEになりたいと思っても未経験だとなかなか転職できないこともあります。そのときに利用したいのが、IT業界に強い就業サポートです。
特に、前述したことも含めて考えると、IT学習とIT就職の両面をサポートしてくれるところがおすすめ!
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まとめ
この記事では、文系SEのリアルな現実をお伝えしました。
正直なところ、文系SEのきつさはあります。私はそのきつさに上手く対応できませんでした。
しかし、自宅でも勉強する努力によってそれらの壁を乗り越えた先輩や同期も見てきましたし、正直私自身の努力不足も痛感しています。
いくらネットで「文系SEやめとけ」と言われても、SEになりたいという気持ちがあるなら、チャレンジしてみないと後悔することになるかもしれません。
文系であっても自分にとって良い選択であると思うならSEを目指してみては?